感染症の原因となる病原体の種類によって感染力は異なります。病原体には、空気に触れることによって菌力が弱まるのもあれば、逆に空気に触れることによって菌力が増すものもありますし、菌力の強さによっても、感染力は異なります。衣服に付着した病原体で比較的多く見られるものには、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、肝炎んウイルスや緑膿菌などがあります。これらの病原体の付着が疑われる場合、最も簡単な布地を傷めない消毒方法は煮沸消毒です。多くの病原菌は熱に弱いので、熱水をかけるとか、数分間煮沸するのがよいでしょう。また、0.02〜0.1%次亜塩素酸ナトリウム水溶液に30分間侵漬後洗濯するというのもよいです。ただし布地の性質(特に絹や毛)によって縮んだり、変色の危険性がありますので、生地の性質を調べてください。 おむつ交換のときなど、手袋をするのは感染予防の観点からは必要なことですが、むしろ手袋をしていると自分は安心して、手袋をしたまま周囲に触れることがあります。手袋をすることの意味を考えて、手袋をしたまま、不用意にシーツや衣服に触れないような注意が必要です。おむつ交換のときは、汚物を処理するまで手袋をつけておき、処理がすんだら速やかに手袋をはずして衣服を整えるようにしてください。いつまでも手袋をしているとかえって方々に病原菌をまき散らすことになりかねません。
*下記の書籍より転載いたしました。
著書名 : 訪問介護事業者のための感染症ハンドブック
監修・編集 : 鈴木幹三
出版社 : 中央法規