(3)咀嚼(そしゃく)困難・嚥下(えんげ)困難
【 咀嚼困難・咀嚼不良 】

加齢とともに口の周りの筋肉退化や歯の欠損が起こります。口の周りの筋肉が衰えると噛む動作が困難になり、歯が抜けてくると食べ物を噛み砕く事ができなくなります。入れ歯を使用している場合でも咀嚼困難は生じてきます。このように噛む事がうまくできない状態を咀嚼困難、または咀嚼不良といいます。
【 嚥下困難・嚥下障害 】

嚥下とは口から食べ物が入って消化していく一連の動作をいいます。通常、私達は何気なく食べ物を口から摂り入れ、噛んで飲み込んでいますが、お年寄りは食べ物を飲み込みにくかったり、水分が喉をすっきり通らず肺に入ってしまい、むせたりするのです。これを嚥下困難、または嚥下障害といいます。
【 食事介助のポイント 】

体を横向きにして頭を少し高くし、あごを軽く引くと飲み込みやすくなります。

食べ物を口に入れる前にお茶や水などで口の中をうるおし、また、スプーンも湿らせておきます。

口の中に入れる量は、食べやすい大きさにして少し少なめにします。

お年寄りは噛む力が弱く、唾液の分泌が少ないので食べるペースが遅くなります。急がせずお年寄りのペースに合わせましょう。

噛むことによって食べ物の温度が下がりますが、咀嚼・嚥下困難な場合、温度が高すぎるとやけどをしてしまいます。特におかゆや汁物には気をつけて口の中へ運びましょう。
【 喉に詰まらせたときの応急処置 】
食べ物が喉に詰まったときの救命のカギは、早期発見とどれだけ速やかに取り除けるかにかかっています。以下はその応急処置法です。
左手の親指と人さし指を交差させて、口をこじ開け、右手の人さし指を頬の内側から喉の奥深くを探って行き、詰まったものを指に引っかけるようにして引っ張り出します。詰まったものを奥へ押しやらないように注意します。
後方から左手で前胸部を支えてうつむかせ、右手の手のひらで、背中(肩甲骨の間)を力強く迅速に4〜5回叩きます。意識のない場合は自分の方に向け横向きに寝かせ、同じように背中をたたきます。
後ろに回りわきの下から、抱き締めるように腕をまわします。片方の手の握りこぶしを、みぞおちの当たりに置き、その手の手首をもう一方の手で握って、両腕で下部の胸郭をすばやく引き締めます。
どうしても取れない緊急の場合は、掃除機で吸引します。
※誤嚥してしまった時にすぐ連絡(対処)できるように、かかり付けの病院や最寄りの耳鼻科を あらかじめ把握しておきましょう。